災害時の音楽療法

広島は豪雨のため多くの地域で被害が出ています。
定期的に音楽療法を提供させていただいている病院も、被害の最も大きかった地域に位置しています。
 
こんな時に音楽療法を受け入れる余裕はないだろうと思っていましたが「療法士さんさえ安全に移動ができるのなら、患者さんは待っておられます」との嬉しいお返事。
 
電車もバスも止まっており、道路も土砂で通行止の多い地域で、病院も断水中とのこと。通常片道30分を早朝に出発し3時間かけて病院に到着。病院はエアコンも使えない状態で職員さんも半分しか出勤できていない。
 
患者さんも連続勤務の職員さんもかなりお疲れのご様子が伺えたので、音楽療法ではなく「安らぎの音楽会」に急遽変更しました。患者さんの移動、水分補給を常に行う状況下での音楽療法ですので、通常とは違う形で対応させていただきました。
 
フルートの演奏、ツリーチャイムやトーンチャイムで涼しくなる音楽を演奏させていただきました。通常はドラムサークルでアクティブな活動を行うのですが、今日は患者さまの体力の消耗を避けるため受動的な活動のみで。
 
患者さまの表情がみるみる柔らかく、明るくなり手拍子をして楽しまれる様子に「無理をしてでも来てよかった」と感謝の気持ちでいっぱいでした。
 
災害時の音楽療法。対象者だけではなく非常事態に対応されている職員さんのニーズも考慮し、環境に合わせた音楽療法のあり方について考えさせられた素晴らしい1日でした。
 
「こんな時だからこそ、患者様に安心していただける音楽を」と考えてくださる素晴らしい病院側の判断にも感謝です。
 
1日も早く日常が戻りますように。

投稿日:2018年7月11日